介護保険制度を語る上で、よく「思いやりが大事」とか「真心第一」、「安心安全」とか言われています。現実、志を高く持ち、自分は介護を思いやりでやっています!と言えるような方ももちろんいらっしゃいます。しかし、かかし、それだけではありませんよ。
サービス=労働を提供する代償として、報酬があります。当然、それはお金です。結局のところお金をいただくからサービスを提供するという図式もあることは明確です。
日本文化には、敗戦、災害による影響もあるようですが、助け合い、困った人に手を差し伸べる、一致団結のような風習はかなり根強くあるようです。このような文化的な財産は世界中の他国にはない、素晴らしい文化と思っています。がそれだけでは人間が動かない現状やそもそもそんなボランティアのようなことが継続してできるような社会の仕組みにならなくなっているように感じます。社会の仕組みに関しては、行政、国に働きかけをするといっても選挙に参加することしか我々にできるすべはありません。
介護保険の基本理念は『自立支援』。みなさんが介護を行おうと実際現場で体験する中での判断に迷うことが出てきたときに、一番に考えていただきたい言葉です。日に日に『自立支援』。今後もこの言葉何度も出していきたいと思います。忘れないように。
制度を知らなければいけませんね。まず。先に述べた報酬について。
介護保険制度は下記図のように、被保険者、保険者、サービス事業者の関係で成り立っています。
①要介護・要支援認定の申請 (被保険者→保険者)
②認定 (保険者→被保険者)
③サービスの提供 (サービス提供者→被保険者)
④利用者負担 (被保険者→サービス事業者)
⑤介護給付費等の請求(サービス事業者→保険者)
⑥介護給付費の支払い(保険者→サービス事業者)
のような流れとなります。
気になる項目、立場もあるかと思いますが、後々説明をしていきたいと考えています。要は、サービスを受ける立場、お金を出す立場、サービスを提供する立場、の3つの立場の関係でこの制度は成り立っています。以前のように身内の介護は身内で行うのような時代は世の中の変化とともに変わっているように感じるかと思います。本当にこの制度が成り立っているのであれば立場が変われど報酬を支払うべきではないか?と筆者は思ったりしています。サービス事業者と同じことをしている身内の人にも報酬があってもいいのではないか?ということです。この思考には異論があるかと思いますので、詳しくは今は差し控えます。
冒頭に書いた、思いやりや真心、安心安全という建前の元、見返りを求めてサービスを行っているということはまさに確信とも取れるのではないのでしょうか?
ただ、そこにロマンもあるのです。自分行ったサービスを受けた方からの感謝、お礼などを目の当たりにすると「やっててよかった」と思うことはあるんです。他にも歩くことができなかった方が歩くことができた時、食事を口にすることができた時、トイレで排泄が行なえた時、湯船につかる入浴ができた時・・・いろんな「やっててよかった」という場面や瞬間は数多く目の当たりにすることができる。それが介護職としてのやりがいというものであり、「またがんばろう!」と思える生きがいになることは間違いないですね。
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